3日間かかる子持鮎の昆布巻きが、45分の加圧で調理できるのには驚きました。
スチームコンベクション※と鍋で煮るのとでは、仕上がりが全く違います。
圧力鍋は、「直火で炊く」という調理法を大量に、かつ短時間で行えるのがいいですね。
調理中も静かで「本当に圧力がかかっているのか」と思うほどでした。
伝統を受け継ぐ日本料理ですが、新しい手法も「適材適所」で、どんどん取り入れていきたいと考えています。圧力鍋を使えば、今までと違う新しい和食が生まれそうです。
※スチームコンベクションは、「蒸し器」と「焼き器」が合体した調理器具。大量調理が必要なレストランや施設などで利用されています。
骨付きの牛肩からスネ肉までの塊を、一度に一緒に調理できる道具は、そうありません。
普通の鍋なら、沸騰前の状態で2時間加熱し、冷まして…を繰り返すので3日かかります。
それが、この圧力鍋なら数時間でできるんです。味の凝縮も素晴らしいですね。
野菜のスープは、素材の色がしっかり出ています。
これまで使っていた圧力鍋は加圧中にうるさく、営業中は使用を禁止していました。
ワンダーシェフは静かなので、翌日の仕込みが夜のうちにできるので助かっています。
これまで鮑を蒸すのに5~6時間かかっていましたが、この圧力鍋だと加圧25分ででき上がります。
牛ほほ肉を煮ても、かたちが崩れません。
どちらも見た目は硬そうなのに、食べると柔らかいんです。野菜の色も、鮮やかに残っています。
さらに、蒸気が逃げないので、味を閉じ込めることができるのも素晴らしいですね。
今までの感覚を裏切る新しさがあります。
料理人に、「新しいメニューが作りたい」という意欲をかき立ててくれる道具だと思います。
約6時間かかっていたタンシチューが、型崩れなく2時間でできるようになりました。
想像以上にゆで時間が短縮されますね。最後の仕上げに使おうかと思っていましたが、仕込みの段階から十分に力を発揮してくれています。
試しに仕込みに時間がかかっていた牛タンを、皮をつけたまま圧力調理してみました。すると皮がタン身から分離し、簡単に剥くことができたんです。これには驚きました。
カボチャのスープなど、野菜の色がクリアに出る点も気に入っています。
圧力鍋は「短時間料理」というイメージがありましたが、全く違っていました。
素材をやわらかく仕上げるだけではなく、旨みや香りをしっかり引き出すことができる調理法なんですね。
時間がかかるため、薬膳スープはこれまで前日から予約を受け付けていました。
でも、この圧力鍋なら、当日の予約でも大丈夫なんです。遜色がないというレベルを超えていますね。
普通の鍋で時間をかけて煮込むより、肉や野菜の煮崩れが少なく、野菜の色も綺麗。
旨みがしっかりとしたスープができ上がります。